Live Report Oyama Takuji 2013年7月北海道ツアー
2013.7.2
LIVE in Park Hotel
札幌は今年初めての真夏日、小山卓治が連れて来た
夏とともに北海道ライヴが始まる。
〈えぞオン夏物語〉は札幌パークホテルの大ホールでのイベントだった。
出演ミュージシャンの人数が多いのでそれぞれの曲数は少ない。
今日のセットリストは 、
01.夕陽に泣きたい 02.種の歌 03.負けないで
スポットライトが当たり映画のワンシーンのような雰囲気のあるステージ
の中、広いホールに小山卓治の歌声が響き渡る。特に〈負けないで〉の
迫力は200人近い観客の注目を集めていた。
3曲では、これからというところで終わる。なんだかもの足りない!
平日なので、みんな仕事が終わってから来る。出番に間に合わなくても
駆けつけて来たファンも加わり、小山卓治のブースはにぎやかになる。
小山卓治が、会場の抽選会で当てたサングラスをかけてみると、
ちょっとこわい!もっとこわくして!などと盛り上がる。
本当のところは、やっぱりカッコ良かった!
明日からのライヴが、とても楽しみになる。
2013.7.3
小樽 & LIVE in 楽天舎
昨日の晴天とは打って変わり、今日は暴風雨で一日が始まった。
雨の中、歩いている人の傘が今にも飛ばされそうな暴風雨。
やっぱり嵐を呼ぶ男は健在だった。
まずは、スープカレーのお店 [ gopのアナグラ ] で、小樽のMさん、富良野のアイちゃんと小樽観光の予定を立てる。
結局は、小樽の天候次第。ということで、カレーを食べ始めた。
カニとはまた違う沈黙「はあ〜....ふう〜はあ〜.....」息の音だけが聞こえる。
「辛さ何番だっけ?」小山卓治の辛さ10番、アイちゃんは30番。
辛さとともに、旨味が増すので、辛い方が美味しい。
次は高速で小樽へ向かった。
小樽に着くと雨は止み「北一硝子」「オルゴール堂」「小樽運河」と順調に観光は進み、最後は強風の日本海。
サングラスをかけた小山卓治と荒れた日本海は、とても良く似合っていた。
今日の楽天舎は、たっぷり歌が聴ける。まずは、ゲストの「さかうえけんいち」さん。心の芯へ響く真摯な熱のある歌に聴き入った。
そして次は、小山卓治。昨日は3曲しか聴けなかったので、今日はじっくりと聴く。
昨日のパークホテルで〈Gallery〉への想いを胸に《stories》を買って行った男性の話を思い出した。
その男性は、20年くらい前に、札幌駅で野宿をしようとしていた自転車旅行の青年に出逢い、自宅へ泊めたことがあった。その野宿青年は《夢の島》のCDを持って北海道を自転車旅行をしていたそうだ。再生プレイヤーはなく、立ち寄った喫茶店や、プレイヤーのあるところで聴かせてもらいながらの旅だった。その夜、2人は〈Gallery〉を聴きながら語り明かしたそうだ。
自転車で北海道を旅することは、自分への挑戦なんだろう。若さには、夢や焦り、揺れる想いを突き動かすような、エネルギーがあった。
《夢の島》は今でも自転車旅行の青年を支えてくいるんだろうか?今も彼の中でちゃんと生きているのだろうか?
野宿をしながらの旅のパートナーだった《夢の島》は、きっと今も自分の戻る場所、大切な支えとして彼の中に存在しているんだろう。
小山卓治の歌は、自分の原点へ一瞬で連れ戻してくれる力がある歌のように思える。
そんなことを考えながら聴くと〈こわれた自転車〉〈Gallery〉〈成長〉へと繋がる流れは美しく、無垢なノスタルジーを感じる。
今日のライヴは、それぞれの想いが一つになって行く、とても温かく幸せな時間だった。
2013.7.4 苫小牧
LIVE in ロックバー・JAM
最終日は苫小牧。
日が落ちるとともに、薄曇りだった空が深い霧へと変わって行く。
ロックバー・JAMのマスターが「霧というよりはミストですね」と言うように、ミストサウナに入っているような霧に包まれた苫小牧は、不思議な雰囲気の景色だった。
開場時間の19時半には日が落ちて、ミストは更に深くなり、ますます幻想的になって行く。
1曲目の〈夢の島〉からJAMは盛り上がり、歓声や、一緒に歌う歌声でライヴは賑やかに始まった。
3曲目の〈NO GOOD!〉あたりからJAMの中のエネルギーは全開!となって行く。小山卓治も楽しそうに「お卓の皆様にはもうたくさん話したので、今日はお卓以外のみなさんに話しますね!」と地元のお客さんに30周年の話や詩集の話、CD、DVDの話をする。
リラックスした雰囲気でライヴは進み〈傷だらけの天使〉は大合唱となった。
JAMにいるみんなが歌詞を知っている様子に、小山卓治もちょっと驚きながらも嬉しい様子だった。
アンコールはリクエストから〈Passing Bell〉と〈Aspirin〉さらにアンコールの拍手が続いていると、小山卓治が「僕からもリクエスト。ビール!」
ラストは〈Show Time〉をみんなで歌い、乾杯で終わった。
ロックバー・JAMのマスターが小山卓治の30年来のファンであることもあり、苫小牧でのライヴはとても盛り上がった。
今回の北海道ツアーでも、20年以上も前から聴いていたけれど、ライヴは初めてというファンが何人か来ていた。
楽しそうに、小山卓治との出逢いと今までの時間を話すファンの姿は、愛に溢れている。何十年も心のひだに棲み続ける、小山卓治の音楽の底力に嬉しくなった。